適性検査を受けてからレーシックブログ:10 12 19
あれは僕が小学3年生の秋、
窓を閉めて寝る季節のことだった…
ママはよる9時から10時の間に自分の部屋にこもり、
「決して襖を開けてはいけない」と言った。
僕はそれに従った。
だけど、それにしても、
一体、ママは何をしているのか?
なぜ僕は見てはいけないのか?
何か秘密でもあるの?…
そのうちだんだん妙な疑惑と不安がのしかかってきた。
もしかして、
ママは「鶴の恩返し」に出てくる鶴ではないか?
隠れて織物を織っているのではないか?
実は「雪女」で、襖を開けたら、
真っ白の風にくるまれ、消えていくのではないか?
僕は、そんな化け物から生まれたのか?
怖いやん…めちゃ怖くて、泣きそうやん…
こんな秘密を持つなんて、
きっとママは僕が嫌いなんだ、
実のむすめじゃないからだ。
僕はなんてかわいそうなむすめだ。
…泣きたくなって、襖を開けてしまった。
すると、ママはなんと腹筋運動の真っ最中!
「こら、開けたらあかんて言うたやん」
もうすぐ運動会で、
ママは、競争に勝つために特訓中なのだった。
「あんたがおったら集中でけへんから、ひとりでやりたかったのに〜、
もうええわ。やめよっ!」
と、食卓に来てお茶を飲んだ。
そこで、べたべたとくっつく、
しけたしょうゆのあられを一つずつ5本の指先につけ、
指をなめずに食べた…
これ、ママと僕のお気に入りの食べ方。
「いつものことやけど、こうして食べたら、おいしいなぁ〜」
と笑うママ。
で、僕は5本の指を寄せて、
5つのおかきを同時にクチに入れるという技を極め、
ママの絶賛と大笑いを得たのだった。
こんなことで絶賛してくれるのは実の親以外あり得ない。
間違いなく僕はママのお子様だ!
すごく嬉しくて、そして、涙がとてもしょっぱかった。