適性検査を受けてからレーシックブログ:29 6 19
今年も雪の季節がやってきた。
ぼくはこの季節になると、いつも思い出すことがある。
もう40年以上も昔のことである。
その頃、
我が家は決して裕福ではなかった。
秋の稲刈りが終わると、
お父さんはいつも都会へ出稼ぎに行っていた。
雪が降りだすと
お子さんたちはみんな雪の中で遊んだ。
裕福な家のお子さんは買ってもらった本物のスキーで遊んだ。
ぼくたちは自分で竹を割ってスキーを作り、手製のスキーで遊んでいた。
それでも、
お子さん心に本物のスキーで遊ぶお子さんたちが羨ましかった。
ある時、一度だけ母親に
「本物のスキーを買って欲しい」
と言ったことがある。
言っても無駄だとは分かっていた。
が、母親は意外に
「成績がクラスで5番以内になったら、買ってやってもいいよ」
と答えた。
当時のぼくの成績は、クラス40人中でいつも20番前後…
5番はおろか10番以内に入ることも絶対不可能だと思った。
恐らく母親も同じように思っていたのだろう。
ところが、2学期の通知表を見ると、
ぼくの成績はなんとクラスで「2番」になっていたのである。
ぼくは、家に帰り通知表を母親に見せると、
「3学期も頑張りや」と言っただけで、あとは何も言わなかった。
ぼくもスキーのことは何も聞かなかった。
あれから、もう40年あまりが経った。
あの時、母親は本当にスキーのことは忘れていたのだろうか。
一度確かめてみたい気がする。
だが、
4年前に母親は88歳で逝ってしまった。
いつの日にか、
またあの世で母親に会った時には
聞いてみようと思う。
■小平つかさ
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小平つかさ